2月
にがつ

2月1日(日) 今日を忘れない

日本時間午前5時3分、イスラム国によって殺害されたとみられる、後藤さんの動画がインターネット上に公開されました。

この国が少しずつ少しずつ戦争への道を歩んでいることを、私は深く憂えます。怒りとかなしみがどうしようもなくこみあげてきます。

『平和に生きる権利』と訳されることが多い、ヴィクトル・ハラの歌。
この歌に初めて出会ったのは、1980年代半ば。その存在と歌を教えてくれたのは、故篠田昌已(as)さんでした。
その後、酒井俊(vo)さんがご自身の言葉で意訳、再構築されたこの歌を、数えきれないくらい、いっしょに演奏しました。

https://www.youtube.com/watch?v=vCQrf0SHix8
(音が出ます。また、使われている写真にはかなり残酷なものがあります。閲覧注意。)



2月2日(月) 反省会

水道橋にあるとんかつ屋さんで、1月のカバレットの反省会。次につなげたいという思いで一致。



2月3日(火) 背中のポッケにふなっしー

太田惠資(vn)さん、山口とも(per)さんと、三人で続けている即興演奏ユニット“太黒山”に、通称・ユカポンちゃんが来てくれました。そして、こんな楽しいいたずらをしてくださいました。うれしいなっしー。






2月4日(水) ひたひたと

ひたひたとじわじわと戦争への道を歩み始めているこの国の現実。

以下、三上智恵さんがFaceBookにアップされていた文章です。

(三上さんは、沖縄県の歴史・社会問題をテーマにドキュメンタリーの取材や制作にも携わっていた方で、映画『標的の村 ~国に訴えられた沖縄・高江の住民たち~ 』(2012年)はドキュメンタリー関係の映画賞をいくつも受賞されています)

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きょう、汀間にある学校の13歳の生徒たちに、「今朝から強襲揚陸艦のボノムリシャールが辺野古沖に来ている」と話したが、みんなポカーン。きっと先生もそんなこと、教えないだろう。

今度の基地はこれが接岸する軍港になるとみられている。オスプレイが100機もここに配備されるんだから、オスプレイの熱排気に耐えるようチューンアップされたボノムリシャールはここに来るに決まってる。そのために深さが最大50mある大浦湾にこだわるのだ。

防衛省は、ボノムがきます、なんていわない。「決まってない」とされていることを授業で言い放つのは難しいだろう。だから、大浦湾で遊んでいる子供たちさえ、今日、目の前の海にそれが来ていることも知らない。

辺野古の新基地が出来上がれば、世界から嫌われる軍港になる。

アメリカの戦争はとっくに私たちの戦争なんだけど、ここから出撃していく先で、大量に人が死ぬのに
「経済的に潤う」なんて言ってる人は、何を引き換えにしているかわかっているのか。

本当の戦争になる覚悟、あるの?
このままだと標的になるけど?
沖縄だけじゃない、にほんじんが。

アメリカ軍がいてくれたら安心と、薄ぼんやり考えていた人たちも、米国にへらへらついて行くだけの政府に危機感を持たなかった人たちも、今度の人質事件で目が覚めたのではないか。

「なぜ日本人が殺害の対象になったか」

こんなことしてたら私たちが標的になってしまうよ!と、沖縄はずっと前からSOSをだしていたんだ。

でも・・・よくわかんないけど、中国に近いからでしょ?なんていっていた人たちにも、皮肉なことに、このたび、沖縄の危機感を共有してもらえるような状況になってきた。それはすごい勢いでこの国がまずい状況になってるということだ。

ボノムの姿を見て、オスプレイを載せて稼動する姿を見て、数年後の大浦湾を想像して、この運命を引き受けるべきなのか、考えてください。

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2月10日(火) 遠藤さん

今夜、NHKBS1の番組「国際報道2015」に、遠藤正雄さんが出演し、イスラム国のことなどについて話をされました。

遠藤さんは、ベトナム戦争末期、またアフガン戦争など、実際に戦地で取材をしてきたフリージャーナリストです。

私がこの音楽の仕事をし始めた頃、週に2~3回はソロでジャズの曲を演奏していた御茶ノ水NARUというジャズクラブで、私は遠藤さんと出会いました。戦地から戻った彼が決まってリクエストした曲は、イーグルスの「Desperado」。今回の人質事件で心配になってweb上を探しまくったところ、生きていらっしゃることがわかり、コンタクトがとれました。ちなみに、「Desperado」は今でも弾けます。

この番組のことが、文字になっています。関心のある方はぜひご一読を。
http://www.nhk.or.jp/kokusaihoudou/archive/2015/02/0210.html



2月13日(金) レクチャーに参加

ヴァルター・ツィンマーマンさんのワークショップに参加してみました。14日に予定されているピアニスト・中村和枝さんのコンサートに伺うことができず、せめてワークショップだけでも、という思いからでした。

今回は、彼が若いときに作曲したという「ビギナーズ・マインド」という作品について、部分通訳によるレクチャーで行われました。この作品には手振り、声、歌などが譜面に書き込まれているそうで、この曲と対峙された中村さんの格闘ぶりは、彼女自身による文章で時折拝見していました。彼女の真摯に音楽に向き合う姿勢を、私はとても尊敬しています。

レクチャー自体は、部分通訳にやや不満が残り、私の後方でPCのkeyを叩いている音が聞こえたのが、残念でした。作曲家・近藤譲さんがお話しされていたことがもっとも明確に感じられました。

その足で、中野・スイートレインに“倍音の森”のライヴに行きました。残念ながら、最後の2曲とアンコールしか聴けませんでしたが、レコーディング直前ということもあったのでしょう、全員で何か目標に向かっているような、お互いを信頼して音や声を出していることが感じられる、楽しいステージでした。

このユニットには、狂気がすてきなアコーディオン奏者・熊坂るつこさん、自分自身を誠実に生きている歌手・LUNAさんのほかに、ホーメイを行い、口琴や イギルを演奏する尾引浩志さんが加わっています。このメンバーを率いているのが田嶋さんです。遠鳴りするらしいガット弦の音が、お店の入り口近くにいた私の胸まで響いてきました。


ここで宣伝!
3月18日(水)、大泉学園・inFで、田嶋さんとデュオで演奏します。ぜひ足をお運びください!


ちなみ私がホーメイという唱法の存在を知ったのは、1990年代初頭。女性のホーメイ(モンゴル出身だったらホーミーというのが正確らしい)歌手・サンインホの生の声を聴いたのが、私も演奏で参加していた1992年のメールス・ジャズフェス。

1994年には歌手・巻上公一さんが、舞踏家の田中泯さんが山梨の白州で開いている『「アートキャンプ白州』に、トゥバのホーメイアンサンブルの人たちを呼んだ際に、生で聴いています。

ちなみに、このとき、巻上さんは“ヴォイス・サーカス”を主宰し、私は免許取りたての車を運転してシンセを運び、なにせ“ヴォイス”なものですから、自分も何か声を出してパフォーマンスをした記憶があります。ああ、若いからできたような気がします。

それから20年以上経った今、こうして普通のライヴハウスで、ホーメイをする人も入ったユニットがライヴをする、というのを目の前で見ていて、なんだか隔世の感に襲われました。



2月15日(日) 阿部定の犬

昨年のカバレット・シリーズの“次”の動きが、今年もいくつかあります。

昨秋は男優・服部吉次さんと大阪大学と神戸大学で、4月に行ったカバレット『剃刀横町のオペラ』を行う機会に恵まれましたが、今年は黒テントの創立メンバーの一人である女優・新井純さん、服部さんの奥様でもあり、寺山修司の『初恋・地獄篇』で主演をつとめた女優・石井くに子さん、そして服部さん、三人の俳優さんと、黒テント最初期の作品『阿部定の犬』に大幅に手を入れられた脚本で、カバレットと題されたものに、私は音楽で参加します。って、どうやら私はピアノを弾くだけではないらしい“悪だくみ”が進行しているらしいです。

今日はその初めての打ち合わせ。さてさて、どんな感じになりますでしょうか?!



2月16日(月) キッドアイラックホールに

午後、筝奏者・山本亜美(つぐみ)さんとリハーサル。まだ珍しい二十五弦の筝を演奏する亜美さんは、今年、初めてのソロアルバムを発表します。それに私も1曲だけ参加させていただくことになり、夏には都内、神戸でコンサートが予定されています。

夜は明大前・キッドアイラックホールへ。3階のギャラリーに、アップライト・ピアノが新たに設置されたとのことで、喜多直毅(vn)さんと下見に行きました。とてもよく響く、ヴァイオリン独奏などには適している感じです。夏頃にライヴができるかも、です。



2月16日(月) 自尊心とは何か?

幼い頃に売春宿に売られた少女。自分の名前もどこで生まれたかも忘れてしまっている。客のために化粧はしたけれど。でも、初めて自分のために化粧をしたときのよろこび。化粧をすることで自尊心が生まれる。それはもうほとんど、自分は生きている、ということと等しいのかもしれない。

https://www.youtube.com/watch?v=Nlow8F1dXtU
(注:音が出ます)

上記のYouTubeは、向田麻衣さんの講演です。(彼女のことは、2/8にTV番組『情熱大陸』で特集されたようですが、私は見ていません。)

向田さんは32歳の女性。いやあ、すばらしい。それまで持っていた自分の価値観が崩壊していく体験をした彼女は、自分が感じたことを、自分の言葉で話しています。そして実際の行動に移し、実現していこうとする意思と姿勢に、私は胸がふるえました。

尊敬する歌手・おおたか静流さんが、2008年にトルコ・イスタンブールで録音したCD作品『セレナーデ』のライナーノーツの最後に、アレンジや演奏をてがけた方の言葉が掲載されています。

「自分の文化の尺度で、相手を理解しないこと。人を同じだと思わないこと。」

もう、どっかの国の総理大臣に、この向田さんの言葉や静流さんの歌を聴かせてあげたいです。



2月20日(金) ふなっしーのお守り

私の尊敬する船橋在住の女性が、船橋の二宮神社で求めることができる、ふなっしーのお守りを贈ってくださいました。感謝感激梨汁ぶしゃー状態の私がいただいたのは、写真の右側のほう。気分はもうヒャッハー!でございます。

神社は相当儲かっていると想像しますが、とにかく、一年間、明るく元気に過ごすことができますように、ということらしいので、この困難な時代に立ち向かい、問題山積の自分に向き合いたいと思う、今日この頃でございます。

ちなみに、私が持っているのは、右のほうのお守りです。






2月22日(日) 祝う

日曜日の昼下がり、池袋・アップルジャンプにて、喜多直毅(vn)さんとデュオでライヴ。夜はベトナム料理店で、来てくださったお客様たちと共に、今月18日に誕生日を迎えた喜多さんのお祝いをしました。



2月23日(月) ふなっしー南極へ

先週末、NYコレクションのランウェイを「品格が落ちる」という理由で禁止されてしまったふなっしー。
https://twitter.com/funassyi/status/569677030117089281

が、なんと、今度は南極へ行くそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=sSds7wraV1A

この“トライ精神”は、どこから湧き上がってくるのだろう?と思いますが、今、子供から大人まで笑わせることができるのは、ふなっしーくらいではないかしらと思う私です。



2月23日(月) 山登り

お誘いがあり、とてもとても久しぶりに山登りをしました。といっても、そこの高尾山ですが。現在、膝の調子があまりよくない私は少々不安だったのですが、杖をお借りして、汗をかいてきました。とてもいい息抜き、気分転換になりました。声をかけていただいた友人、同行した友人たちに、感謝します。

下記の写真は霧で靄(もや)がかかっている道。昨日の雨で地面はぐちゃぐちゃで、この日のために買った私の運動靴はまっ黒になり、ズボンの裾も泥がいっぱいはねていました。「土を踏む」ということを、時々しないとだめだなあと思った一日でした。






2月24日(火) 美緒さん

下北沢にあるダーウィンルームという不思議なお店の2階で行われた、歌手・松田美緒さんのトーク&ライヴに行ってきました。

昨年末に、美緒さんは『クレオール・ニッポン うたの記憶を旅する』というCDブックを発表されました。
http://artespublishing.com/books/86559-115-6/

美緒さんは自分の触角のようなもの、感性に触れるものに、誠実に生きていると感じています。私などとは全然異なる人生を生き、いつもどこにいるのかわからない感じで、大西洋を飛んでいるような彼女ですが、ほんとうにすばらしい仕事をされていると思います。

歌手・おおたか静流さんとともに、祈りに満ちたうたを歌う、稀有な存在だと思います。



2月28日(土) 成年後見人制度

市が主催する行政書士による成年後見人制度の説明会に参加しました。参加者が私のほかには1人しかおらず、詳しく説明を聴くことができました。いやあ・・・たいへんだあ。

以下、後日談。

市の権利擁護センターに行けば、立川の家裁まで行かなくても、揃えなければならない書類一式をもらえます、と言われたので、翌週、そこに行って各用紙をもらってきました。

ちなみに、上記の説明会はNPO法人いきいきネットワークというところがやっており、市の職員も同席しているものでした。私はこの説明会のことを市の広報誌で知ったのですが、が、が、権利擁護センターの担当者は、そんな説明会があったことはまったく知らないと言って、最初はとても怪訝そうな顔をされました。

なんというか、横の連携が全然とれていないんですね。縦割り行政という言葉はよく聞きますが、なんだかなあと思いました。










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