4月
しがつ


4月4日(火) 旧友と会う・その1

5年かけて大学を卒業した後に勤めた出版社時代の友人たちと会う。

待ち合わせたのは四谷にあるSaci Perere。その当時、ブラジル音楽が大好きな人がいて、今回は彼女がブラジルから帰国したこともあり、このお店でのランチとなった。

振り返れば、当時の私はジャズを習い始めた頃で、ジャズもボサノヴァも何ひとつわかっていなかったが、彼女に連れて行ってもらったこのお店で、サンバに合わせて踊ったような記憶がある。・・・踊った、のか、私?(苦笑)




4月10日(月) 若者と

午後、すてきな歌手・LUNAさんとリハーサル。

夜は、先週5日(水)に初めて共演したサックス奏者・大石俊太郎さんが、わざわざ拙宅まで出向いてくださって会食をする。ライヴの後に、私と話しをしたいとやってくるミュージシャンは、実はそんなに多くはない。いろいろな音楽の話しをして、ひとときを過ごした。

ちなみに、大石さんはこだわりの車に乗っている。その車はいたってシンプル。やっぱり、いいなあ、シンプルな車。




4月13日(木) 旧友と会う・その2

まだ桜は残っていて、ひらひらと花びらが舞い落ちていた夜。大学の哲学科時代の友人たちと、市ヶ谷のお店で会う。

そのお店では何回かこうしてみんなで集まっているのだけれど、今回はどう考えても人手不足の雰囲気。以前とすっかり変わってしまっていて残念に思う。

外食産業は、これからどんどん人手不足になっていくだろう。拙宅近くの国道に面しているファミレスも、既に24時間営業をやめて、深夜2時までになった。

市の中央にある郵便局も、土曜日の夜を除いて24時間開いていた夜の窓口が夜9時までに縮小された。私のように、最終電車で帰宅するような仕事をしている者にとっては、深夜に不在票の引き取りができるのは便利だったのだが。そういえば、街角に置かれているポストの集配回数も減っていた。

少子高齢化社会は、もう目の前、という気持ちになる。




4月22日(土) 老人施設

午前、母がお世話になっている老人施設の家族懇談会に参加してみた。想像していたよりもかなり正式な趣で、グループ全体のトップにいる方のお話しを初めて聞いた。

母が入居して約1年半になる。母は要介護5の状態で、何ひとつ自分ではできなくなってしまった。妹弟たちと話し合い、この施設に入居を決めたのだけれど、私のなかには常に母に申し訳ないと思う気持ちが残っている。母が倒れる前の、様々な情景が思い起こされ、そのたびにうっすらと涙ぐんでしまう。

というわけで、週に2~3回、母に会いに行っている私は、介護及び看護の現場を間近に見る時間を多く持つようになっている。

やはり、最後は、人、だと強く思う。その経験の浅さや深さによる介護士さんの差異はあるが、それよりも、入居者の身になって、どれくらい寄り添えるか、どれくらい様々なことに気がつくか、は、人によって、それはもう千差万別であることがわかった。ちょっとひと手間、ほんの少しの心づかいが、どれほど入居者、そして肉親をお願いしている家族にとって大事なことか、とつくづく感じる。




4月24日(月) 痛いよ

母のいる施設に行き、夕飯の食事介助をする。その際、顔を拭いてあげたときに、母が「痛いよ」と言った。うれしくて泣きそうになった。




4月25日(火) ゆったりヨーガ

ひと月に1回だけだけれど、ヨーガをやっている。高校時代の友人がヨーガのインストラクターをやっていて、その指導を受けている。彼女はけっして無理なポーズは強要せず、呼吸法を中心としたゆったりヨーガを行っている。最後にはとてもリラックスしている自分を感じる。案外、貴重な時間。





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